<富士山麓 鳴沢氷穴>

2001年9月27日。
家族旅行で、山中湖から本栖湖へ向かう途中の青木ヶ原樹海を通る道路、国道139号線を通っていると、『風穴・氷穴』の案内の立て看板が目に入ってきた。
瞬間的に頭に浮かんだのは、原作の暗黒聖闘士との戦いの場所『富士山麓南西に位置する青木ヶ原十風穴』。アニメでは、日本アルプス立山連峰になっているけれど・・・。
これは、行ってみなければという強烈な誘惑にかられ、運転する父にお願いして立ち寄ってもらうことにした。
立ち寄ったのは、夏でも氷穴には、氷が存在するという『鳴沢氷穴』。『富岳風穴』と並んで有名な富士山麓の洞窟らしい。興味津々。

シーズンオフのため、訪れる観光客はほとんどいない。特に夕暮れ時だったこともあり、かなり寂しい。
チケットを切ってもらい、中に入る。
予想していたよりも足場が悪い。また、降りてすぐの所で見学できるのかと思えば、全然、違っていた。
えっ?こんな狭いところを通っていくの?と思うくらいの狭い狭い空間を手すりに掴まりながらそろりそろりと下に降りる。当然、頭を低くし、腰をかがめながらである。相撲取りのように太った人、狭所恐怖症の人は、絶対に入れないと思った。また、下は、濡れていて滑るのでなかなか怖い。
やっと下につくと、少し広い空間になっていた。
見ると、目の前に氷塊がある。横の壁も氷。富士山の噴火でガスが抜ける際に出来た風穴に、岩からしみ出した水が凍ってこのような氷塊になっているそうだ。大自然のすごさを目の当たりにした。
しかし、暗い上に、人もいないので、ゆっくり楽しんでいる気にはなれない。結構怖くて、すぐに上に上がることにした。
が、途中、岩場に靴が挟まった。なかなか取れない。手をついた両方の壁は凍っていて冷たいし、靴が脱げた方の足はぐちゃぐちゃになる。何かに足を掴まれたような気がして、ぞーっとした。
早々に立ち去りたいが、上りの足場も悪い。手すりに掴まり一歩一歩ようやく外に出た時は、正直言って、ホッとした。
時間にしてはわずかなものだったが、大自然のすごさを思い知った。
一緒に氷穴に入った母は、氷穴で懲りたので、風穴にはさすがに寄ってくれなかった。私も寄ろうと言い出せなかった。

一度は、見てみるのもいいかと思いますが、行かれる方は、荷物は持たずに、ズボン、スニーカーで行ってください。スカート、サンダルではかなりきついし、危険です。また、お年寄り、小さな子供、体が不自由な方も無理です。
しかし、この注意事項は、入り口に書いていないんですよね。ちょっと不親切な気がしました。だって、入ってしまったら引き返したくても引き返せないんですよ。
後日、ガイドブックを見てみましたが、これにもそんな注意事項は書いていませんでした。むしろ、整備していて入りやすいと書いてありました。でも、そんなことは決してありませんのでご注意を。
ただ、鳴沢氷穴に比べ、富岳風穴の方がもう少し整備されていて見学しやすいようです。駐車場に大型バスも止まっていましたし。