列車の中で教えてもらったとおり、駅前の客引きを無視して駅から少し離れた所でタクシーを拾おうとするが、駅前のホテルも寂れた感じでちょっと危機感を覚える。なんとなく車を探しているのが分かるらしく何台かタクシーが私たちの周りで止まり始めた。全くかっこうの鴨である。値段交渉を始めるが、列車の中では九江から廬山までは30元くらいで行かれると聞いていたので、そこから始めると、みんな全くとんでもないという顔をする。100元〜150元を提示してくる。事前に調べた時は、60元〜70元だったので、100元以下で交渉する。妥協して80元で行ってもらうことになった。タクシーに乗り込むと、雨がパラパラ降り始め、程なくして土砂降りになってしまった。危機一髪という感じ。

1時間くらいして廬山への山道に入るが、雨は降ったり止んだり。そして、霧が濃い。お願いだからポセイドン、眠りについていて。
「廬山の天気は変わりやすいんだ。もう少しで雨があがるよ。ほらっ。」「雨が上がったら虹が出るよ。」とタクシーのおじさんはわりと上機嫌である。「ほら、廬山の山が綺麗に見え始めたよ。こっちも。」頼むから、山道カーブ道では前を向いて運転して!「廬山は虎が出るんだ。」えっ?虎?王虎?(違う!)五老峰に登っている時に遭遇したりして!?「まあ、山奥の方だけどね。」

「廬山○○」という看板が出てきた。単なる広告看板なのに、ついに来た!と心はトキメキます。廬山温泉なんていうのもあった。「老師、お背中流します。」と言っている紫龍が目に浮かぶ(笑)。

ようやく廬山の山門に到着。ここで入山券を購入することになる(大人1人135元)。しかし、ここで問題発生。ご機嫌良く運転してきたドライバーのおじさんが豹変。ここから私達が宿泊予定の廬山賓館までは歩いて3分程だからここまでと言い出した。地図で確認すると、廬山賓館までは山門から結構あるのでどうみても3分では行けないように見えるが、おじさんは真っ赤になってがんと言い張って半分脅しのようにまくし立てる。中国に慣れている2人はまた始まったのかという風であったが、私はちょっとショックであった。結局、ムサシさんが、廬山観光スタッフのお姉さんを連れてきて廬山賓館までは歩いて行かれないことを証明してもらったが、おじさんは自分の非は全く認めず、結局、60元で手を打ち、またそこから別のタクシーに乗り換えることになった。
思えば、山門までの道で頼んでもいないのにお茶屋さんに寄ろうとしたり、既に予約を入れていると何度も言っているにもかかわらず、良いホテルがあるからそこにしろと何度も言われたりしていたので、あまり良心的な人ではなかったのだろう。

気を取り直して、山門をくぐり、いざ廬山へ!と思っていたらおばさんん2人が何やら言っている。こちらもどうやら客引きらしい。「ねえ、泊まらない?」と言っていたらしい。タクシーをすぐ拾えるようなことを言われていたが、なかなか拾えない。まあ、先程のタクシーのおじさんの言うことだから全面的に信用できないんだけど。「廬山賓館」の看板を掲げている正規タクシー(に見える)のおじさんが、「ホテル手配しようか?」と言ってくる。廬山賓館の看板を掲げながら別のホテルの紹介する様子を不思議に思いながら、廬山賓館までの値段を聞くと、30元と言う。スタッフのお姉さんには15元で行かれると聞いていたので、高いと言うと行ってしまった。とその時、別の女性が来て、20元でどうか?と言う。こんな入口でウロウロしていても仕方ないので、それに応じると、なんとさっきのタクシーに連れて行かれた。タクシーのおじさんとその女性はどうやら夫婦らしく、ペアで行動しているらしい。つまり旦那さんがドライバーをして奥さんが客引きをする。で、廬山賓館までその女性も一緒にタクシーに乗ってきた。ここのシステムは良く分からない。とにかく何とかホテルに到着してホッとした。

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